こんにちは。書評家のキノコ社長です。
生きていると、「自分は不幸だ…」と思い悩んでしまうことがありますよね。
上司とウマが合わない、給料が安すぎて生活が辛い、治らない病気を抱えているなど。生きている限り悩みは尽きません。
そんな時、自分なりのストレス発散方法を持っている人はいいですが、そうでない人はモンモンとした気持ちが晴れず、辛いものです。
そんなあなたにおすすめしたい本があります。
上原隆さんのノンフィクション「友がみな我よりえらく見える日は」です。
【書評・レビュー】友がみな我よりえらく見える日は
この本は、ホームレス同然の生活を続け妻子からも捨てられた芥川賞作家、アパートの五階から墜落し両目を失明した市役所職員、その容貌ゆえに四十五年間、一度も男性とつきあったことのない独身OLなどに、著者の上原隆さんがインタビューをしてまとめたノンフィクションです。
僕自身なかなか病みやすいタイプで、物心ついてから常に何かに悩んでいますが、この本を読むと「この人たちの人生めちゃくちゃ壮絶なのに、たくましく生きていて本当にすごいなぁ」と心が軽くなります。
一番最初に登場する田島さんは、47歳で酔っ払ってアパートから落ちて両目を失明してしまいます。身寄りもいないので、これから一人で生きていかなければいけません。
あなたなら耐えられますか?はっきり言って僕は自信がありません。
でも田島さんは「音楽を聴く」という趣味を見つけることで、その困難を乗り越えていきます。
週刊誌を拾って売り、日銭で生きているホームレスの片山さんのエピソードも強烈です。
真夏でも、毎日ゴミ箱を漁って週刊誌を拾い続けます。生きるためです。それでも片山さんはこう言います。
「目標を持って、自分が楽しければいいと思っている」
その前向きな姿勢に圧倒されます。
日本は平和で豊かな国ですが、先進国でトップクラスに自殺やうつ病が多い国です。
いじめ、受験、就職、出世、家庭問題、健康問題、これらのプレッシャーが毎日襲ってきますもんね。
でもそんな時はふっと肩の力を抜いて、壮絶な状況でもたくましく生きている人たちの人生観に触れてみましょう。
読んだ後、「俺(私)もゆっくり頑張ろう」と心が軽くなるはずです。