キノコ新聞

東京で貿易とWebメディア運営の会社を経営しています。独立してゆるく生きるコツ・人生のお悩み解決法・エモいレビュー(本・映画・音楽)を発信しています。水風呂、ビートルズ、重めの赤ワインが好きです。正直なところ吉高由里子も好きです。最近小説も書いてます。

レビュー

ノルウェイの森(村上春樹)を読んで思う「死とセックスと幸せ」について

更新日:

 

こんにちは。書評家のキノコ社長です。

 

先日、10年ぶりくらいに「ノルウェイの森」を読みました。

 

ノルウェイの森といえば、上下巻合わせて450万部以上売れている、村上春樹氏の代表作です。

 

村上春樹氏の小説は全て読んでいるのですが、ノルウェイの森はかなり読みやすい方ですね。村上春樹氏本も100%の恋愛小説と言っていますし。

 

10年前に初めて読んだ時は大学生でした。その時の感想は「主人公(ワタナベ)がモテて羨ましいなあ」と「エロいなぁ」でした笑

 

僕も30歳を過ぎそれなりに成長したのか、先日読んだ時は全然違う感想を抱きましたね。

 

 

死は生の対極としてではなく、その一部として存在している

 

 

 

ノルウェイの森の主人公、ワタナベの周りの人は、とにかく自殺しまくります。

 

最初に自殺するのは、高校時代の唯一の友人「キズキ」です。

 

キズキはかっこよくて恵まれた奴なんですよね。家も歯医者で金持ちだし、趣味もいいし、コミュニケーション能力も高く、直子というキレイで素晴らしい彼女もいる。

 

それなのに、17歳で自殺してしまいます。原因については具体的に触れられていませんが、おそらく直子とのセックスがうまくいかなかったことや、理想とする自分になれない葛藤のようなものですね。

 

とにかくキズキは死んでしまい、ワタナベは取り残されます。

 

ワタナベはその時に「死は生の対極としてではなく、その一部として存在している」と気付くんですね。

 

この10年の間に、僕自身の周りでも何人かの人が亡くなりました。

 

大学生の頃は、死はずっと遠くにあると思っていましたが、歳を重ねるごとに、周りの誰かが亡くなるたびに「あ、自分もいずれ死ぬんだな」という思いがリアルになってきています。

 

避けられない話として、これかもどんどん自分の近しい人が亡くなっていくでしょう。その度に、より死を身近に感じるようになるのだと思います。

 

そして僕もワタナベと同じように、「この世に取り残されたような気持ち」を味わっていくはずです。

 

ワタナベが知らない女の子とセックスしまくる理由は「生を感じたいから」ではないか?

 

 

 

ワタナベは神戸の高校を卒業した後、東京の大学に通うようになります。

 

そこで寮の先輩である永沢さんという超ハイスペイケメンと友達になり、街に出て知らない女の子をナンパしてセックスしまくるようになります。

 

でもワタナベは、本当は知らない女の子とセックスするのが好きじゃないんですよね。だけどどうしてもやっちゃうわけです。

 

これはセックスによって「生きていることを感じたいから」なんじゃないかなあと思うわけです。

 

キズキが17歳で自殺して、その恋人の直子も21歳で自殺してしまうんですが、この自殺の大きな理由の一つは「セックスがうまくいかなかったから」です。

 

この二人は幼なじみで、本当に運命の人同士のような感じなんですが、なぜかセックスができないんですよね。具体的には直子が全く濡れないわけです。

 

それでキズキが先に死んでしまい、直子はなんとか持ちこたえようとするんですが、最終的に精神的におかしくなって死んでしまいます。

 

直子が精神的におかしくなった理由の一つに、最愛の人キズキとはセックスできなかったのに、ワタナベとはセックスができて「しまった」ことが挙げられます。

 

このせいで、直子は少なからず自分を責めることになります。なぜ愛してもいないワタナベとセックスができるのに、キズキとはできなかったんだと。

 

というように、キズキと直子の自殺の大きな理由が「セックスがうまくいかなかったから」です。

 

ワタナベが知らない女の子とセックスしまくる理由は「セックスすることで生を感じ、キズキや直子のような死を遠ざける」ことを求めていたからではないかと思うんですよね。

 

ノルウェイの森で一番幸せな人は誰か?

 

 

 

キズキは17歳、直子は21歳、永沢の彼女のハツミは20代で自殺します。

 

一方、ワタナベと永沢は生き続けますが、二人とも闇を抱えています。

 

ノルウェイの森を最初に読んだ大学生の頃、若くして死ぬことは不幸だと思っていましたし、キズキも直子もハツミもアホで自分勝手だと思っていました。

 

それなりに人生経験を積んだ今、「生き続けること=絶対的な幸せ」と言えるのかが分からなくなってきています。

 

当たり前のことですが、生き続けることは時には苦痛を伴います。

 

お金を稼ぐためにストレスやプレッシャーにさらされることは日常ですし、自分自身の無力さに絶望することもありますし、歳を重ねるごとに体力も落ち、病気にもなりやすくなります。

 

「まあこんなもんか」と老化を受け入れられるならいいですが、才能がある人や繊細な人ほど、若かった頃の自分を思い出して悲しくなることも多いでしょう。

 

それならいっそのこと「若く知力も体力も最高のうちに死んでしまった方が幸せかもしれない」と思う人もいると思いますし、実際にいるから若くて才能がある人の自殺がなくならないんでしょうね。

 

う〜ん。考えれば考えるほど「幸せ」って難しいですね。

 

そういうことを考え出すと辛くなるので、僕は最近「やよい軒」の季節限定メニューを楽しみに生きています笑


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まとめ

 

ノルウェイの森(村上春樹)を読んで思う「死とセックスと幸せ」について書きました。

 

ごちゃごちゃ言いましたが、もし僕が人間として生まれてこなかったら、こんなことを考え、文章にすることもできなかったと思えば、それだけで幸せなのかもしれませんよね。

 

あなたも辛いことがあると思いますが、紛争や理不尽な拘束もない世界一平和な日本で、ゆっくりこの文章を読めているだけでも幸せなのかもしれません。(違ったらごめんなさい)

 

でも何より、村上春樹氏の小説が日本語で読めるというのはとても幸せなことです。

 

あなたは「ノルウェイの森」から何を感じましたか? 

 

 

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